HazaMagazine Vol.2

2019.09.14
HazaMagazine Vol.2

前提条件は変わるかも知れない

前提条件は変わるかも知れない

自分の将来を考えるとき、気をつけなければいけないと感じているのは、

今、感じている前提条件は変わるかも知れないということです。

その昔、私が外科医としての一通りの研修を終え、2001年ごろ大学院で研究のテーマとして与えられたのは、ブタの臓器をヒトに移植するという「異種移植」がテーマでした。倫理的にも臓器サイズ的にも経済的にも問題がなく、大動物で唯一SPF化できていた(特定の病原菌がないようにした)ブタが最適だとされました。

国際的な研究会も複数回開かれ、我が国でも、新しい医療産業の創出に向けて補助金がつき、大手食品メーカーと合弁会社を作り、プロジェクトを進めていました。私自身は、この分野で、ブタの内在性レトロウイルスの感染制御に関わる実験を担当し、知見を得たため、将来はこの分野で仕事をしていくんだろうと漠然と考えていました。一定の成果も出て、学位もいただき、

「さぁ、これから」と言うときに薬局を継承することにしました。

当時、個人的にもその領域では世界の最先端で研究をし、移植医療の問題解決という社会的なインパクトもある仕事を捨てて、薬局というなんとも地味(?)な仕事に移るというのはもったいないというか、なんというか、ジレンマがなかったわけではありません。

しかし、今ではiPS細胞が開発され、人工臓器の性能がよくなり、バッテリーが小型化かつ長期使用が可能になったことで、状況は一変しました。異種移植というものは、かつて予想されたほどのインパクトを持たなくなりました。それは、技術開発や進歩によって、人工臓器はダメ、再生医療はダメ、という前提条件が変わったからだと言えるでしょう。

一方、地味に見えた薬局は、今、大きく変わりつつあります。少子化と高齢化が同時に進行する我が国で、地域医療をどうするのかという問題が顕在化する一方で、薬学部が6年制になり、最近では、薬機法・薬剤師法の改正や、調剤のあり方に関する局長通知など、前提が大きく変わったからだと思います。

是非、みなさんも、今の前提条件に縛られず、自分の将来を考えるようにしてみてください。

きっと、大きな気づきがあると思います。

2019.4.12 代表取締役社長 狭間研至