HazaMagazine Vol.3

2019.09.28
HazaMagazine Vol.3

プロへの入り口を探そう

薬局や病院での実習が始まると、現場の緊張感や雰囲気に少し怖さを感じる学生さんも多いのではないだろうか。それに腰が引けて、臨床現場に出ることをためらうケースや、本当は目指したい気持ちよりも自分でできそうな感覚を優先させて職場を選ぶケースもないわけではない。

私自身も、30年ぐらい前に、外科医になることを志望し始めていたころ、学生実習で手術に入らせてもらった時、あまりもの緊張感と業務内容に怖じ気づいてしまい、これは外科は無理だなと思い、他の科への就職を考えたものである。リクルーターの先輩の先生に、そのことを伝えると「お前はアホか」と言われた。

怪訝な顔をする私に「お前はプロになるんやろ?学生風情がふらっと見に来て、あぁ、これ僕にもできそうです、という仕事がプロの仕事と言えるか?」と言い放たれた。そして「素人さんが見に来て、こんなんどうするんやろ、怖いわ、という仕事を鼻歌交じりでするのがプロと違うんか?そうなるために勉強してきてるんやろ?」と続けられたのだ。私はまさにその通りだと思い外科に進んだ。そして数年後、私も全く同じ事を言って学生を口説いていた。今、私が色々とできるのも、あの時、怖い、どうやってやるんだろう、自分にもできるだろうか、と思う仕事を選んだことが、プロとしての私の現在につながっていると実感する。

今の薬学生にも同じ事を申し上げたい。実習に行って、ここで働くイメージが持てました、という職場では、数年もすれば飽きてしまう。言ってみれば、素人さんが見てできると思う仕事だから当然と言えば当然かも知れない。「えぇ!?こんなことしてるの?できるかな…」と不安になるほどの仕事を是非探していただきたい。そこが、あなたにとってのプロへの入り口なのだ。

2019.5.12 代表取締役社長 狭間研至